買い物で付与されたポイントは課税対象なのか【確定申告の疑問】

マネー

買い物やキャッシュレス決済などでももらえるポイントですが、一時期ものすごい還元率でキャンペーンが行われており、各社合わせると数万円単位のポイント還元を受けた方も少なくないのではないでしょうか。

これらのポイントですが、お買い物から光熱費などの支払い、また株式の購入に至るまで非常に幅広く利用できるようになってきており、いまや現金と変わらない価値があるものになっています。

こういったポイントは、実は現金所得として扱われるものになりますが、税金はかからないのかと思ったことはありませんか。私も日頃から気になっていたこともあり、調べてみることにしました。

ポイント所得はどういった扱いになるのか

まず、前提として企業から付与されるポイントは「一時所得」の名目で扱われるものになります。

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。

  1. (1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
  2. (2) 競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)
  3. (3) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
  4. (4) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。)
  5. (5) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

No.1490 一時所得|国税庁

国税庁の説明を解釈すると、一時所得は仕事に対する対価(会社員の場合の給与所得)や資産(物)の売却などで得た収入以外の所得が該当するものとされています。

そのため、商品の購入により付与されるポイントや特定のサービスの申込みなどでもらえるポイントやセルフバックと言われるようなものは一時所得に該当するものと扱われます。

一時所得は、「一時所得を得るために支出した金額」を引いた額から「50万円の特別控除枠(非課税枠)」が設けられています。(給与所得者の場合)※その他の一時金があり、それらの合計が非課税枠を超える場合は合わせて申告する必要がある

そのため、「ポイント」や「キャッシュバック」などの属性のものに限って言えば、年間の非課税枠50万円を超えることは一般的にはあまり考えられませんので、ポイントやキャッシュバックで受け取れる利益については非課税として認識していても問題ないということになります。

そもそもポイントは確定申告が不要?

上記では、一時所得の扱いについて説明しましたが、そもそもポイントは一時所得でもないようです。国税庁のQ&Aに以下の回答が掲載されていました。


私は、ドラッグストアで商品を購入する際に、同ストアが発行するポイントの付与を受けました。このポイントは、次回以降の買い物の際に、1ポイント1円に換算して、決済代金の値引きや景品との交換などに使用できるものです。
その後、そのポイントを商品購入の際に使用しましたが、私が取得又は使用したポイントについて、所得税の確定申告は必要になりますか。


原則として、確定申告をする必要はありません。

(説明)

  1. 〇 商品購入に対する通常の商取引における値引きを受けたことによる経済的利益については、原則として課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱っています。
  2. 〇 一般的に企業が発行するポイントのうち決済代金に応じて付与されるポイントについては、そのポイントを使用した消費者にとっては通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものと考えられますので、こうしたポイントの取得又は使用については、課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱うこととしています。

No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い|国税庁

これを見る限り、「商品購入に対するポイントの付与は商品の値引きと同等の扱いとみなされ、課税対象として扱わない」と回答されていました。そのため、属性としては一時所得として考えられるも商品購入に対するポイント付与については、完全に非課税であるということになります。

ただし、ポイント充当によって購入した医療品などを医療費控除として扱う場合や、ポイントを使って株式の購入を行った場合などは一時所得として扱うとの注意事項が記載されています。

正直、ややこしいですね。医療費控除や株式の購入などは普段から収支を分けて管理しておくのがよさそうです。

まとめ

ポイントの扱いについて何となくイメージができたので、ひとまず安心ですね。最近では、会社員にも副業を始める方も増えてきており、確定申告が必要なシーンも多くなっているのでこれまで気にしていなかったことに対して疑問を持つ方もいるのではないかなと思います。

ポイントについては、ひとまず非課税として考えつつも解釈が難しい場面もあるかと思いますので、そういった場合は、税理士や税務署などに相談してみるのもよいかと思います。

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